■3月24日/ワールドカップ アジア最終予選 オーストラリア 0-2 日本(シドニー)
アウェイで行われた大一番は、劇的な勝利だった。序盤から大雨の中での試合となったオーストラリア戦は、互いにアグレッシブな試合を展開し、なかなかゴールが生まれない。そんな中で、89分に三笘薫が先制ゴール。ついに均衡を破ったのだが、そのゴールは山根視来、守田英正という川崎ホットラインが結んだボールを三笘が合わせたものだった。川崎フロンターレの力が、そのまま日本代表をW杯に導いたのだ。
三笘は後半ロスタイムにも左サイドをドリブル突破して、得点。これも川崎フロンターレで何度も見せていた“得点パターン”で、シドニーの地が等々力に見えたほどだ。
試合後、W杯出場権獲得に喜ぶ選手たちはサポーターを前に撮影に応じたのだが、その際、川崎の選手が集まって写真撮影に応じた。集まったのは、三笘、山根、守田に加えて、板倉滉、旗手怜央、谷口彰悟、川島永嗣の8人だ。
今回の代表で“最大派閥”と言える川崎勢だが、写真に応じる際、「鬼さん!!」「鬼さーん」とそれぞれが叫んでいた。鬼さんとは、川崎を率いる鬼木達監督のこと。最強の川崎を作り上げた戦術家は、選手にとって恩人だ。W杯出場という劇的な場所に立てたことを伝えたいという気持ちが伝わってきた。