■オーストラリアは「勝たなければいけない」重圧を背負う

 オーストラリアのホームで、勝点3をつかむのは簡単ではない。

 ただ、試合前の段階でプレッシャーを感じるのは、日本ではなくオーストラリアだ。負けたら2位以内に入れないという立場には、経験豊富な選手が多いチームでもプレッシャーを受けているだろう。メンタリティを想像すれば、今回の最終予選序盤で2敗した当時の日本に似ているかもしれない。

 日本戦が引き分けに終わっても、数字上は予選突破の可能性は残る。だが、現実的にはかなり厳しい。3月24日のオーストラリアは、「絶対に勝たなければいけない」との重圧に縛られるはずだ。

 重要なのは先制点だろう。今回のオーストラリアと同じように、日本が「勝たなければいけない」との思いで臨んだ2月のサウジアラビア戦は、前半32分に先制点をあげることができた。しかも、最終予選で得点をあげていなかった南野拓実がネットを揺らした。チームは「勝たなければいけない」重圧を振り払い、取るべき選手が取ることで、勢いをつかむことができたのだった。

 シドニーのピッチに立つ日本は、早い時間帯の失点を絶対に避けなければならない。ビハインドを背負ったら、リスクを冒す必要が生じる。日本にとってのリスクは、相手にとってチャンスのきっかけになり得る。リスクを背負った末に2点目を決められたら、試合の行方は決まってしまう。

 だからといって、「リスクを冒すな」というわけではない。大切なのは試合中の見極めである。相手の出方を見て、試合中の変化も見逃さずに、対応していくことが大事なのだ。

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(2)へ続く
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