■2点目で見せつけた「個の能力」

 どのポジションでも強度の高いプレーを披露する明本は、リカルドサッカーに欠かせない存在となっている。最前線に立つのは、キャスパー・ユンカーのコンディションの問題もある。また、この試合で60分からは左サイドバックに入ったのは、前節・川崎戦で馬渡和彰が見えた守備の問題の可能性も考えられる。どのポジションであっても高い戦術理解度を見せるからこそ、その存在感は大きくなるばかりだ。

 試合終了間際に馬渡が決めた2点目をアシストしたのは、この背番号15だった。裏に抜けようとする動き出し、相手守備陣から取られないキープ力、そしてスルーパスを通した技術と、その能力を存分に見せつけたアシストだった。

 浦和が今季掲げる目標は「優勝」だ。“本職”がどこか分からないほどのユーティリティプレイヤーが、その目標へとチームを導く。

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