■西村は誰よりも走った

 最終ラインからボールを動かす神戸に対し、西村はボールに合わせて走り続けた。

 19分にはスルーパスで宮市を走らせて決定機を演出したように、いわゆるトップ下らしいプレーも 見せたが、それ以上に目立ったのが、組み立てようとするところへ積極的に寄せる姿だった。

先制ゴールを喜ぶ西村拓真 横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸(20220302)撮影/原壮史

 29分には山口蛍からボールを奪うとロペスにパス。ロペスは仲川とのパス交換からシュートを放ったが、ここはゴールポストに阻まれた。

 後半にアンドレス・イニエスタが投入されれば低い位置まで戻って対応。5人の交代枠をフルに使って運動量を維持しようとしたマリノスだが、誰よりも動いていた西村は最後までピッチに残り、終わってみれば走行距離は両チーム最長の13.561km。ケヴィン・マスカット監督が「責任感を持って、相手にプレッシャーを掛け続けてくれた」と称賛するように、トップ下の選手としてチームに多大な貢献を果たした。

  もちろん、運動量で貢献しただけでなく、ゴールを決めたことが、冒頭の安堵のコメントに繋がった。

PHOTO GALLERY 横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸 20220302
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