【「変化と継続」のJ2】リーグ唯一の「2連勝」を達成・横浜FCを追い詰めた長崎の「攻略戦略」と“華麗なパスワーク”東京Vが新たに持った「武器」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
スベンド・ブローダーセン(横浜FC)   写真:長田洋平/アフロスポーツ

■横浜FCが唯一の連勝スタート

 横浜FCが連勝スタートを飾った。J1昇格候補同士の対戦となった2月27日のJ2リーグ第2節で、V・ファーレン長崎を1対0で退けたのだ。

 ホーム・ニッパツ三ツ沢球技場で行なわれた試合は、前半26分に齋藤功佑が先制点を奪った。今シーズン復活を期す24歳のMFが、自身2試合連続となる左足ミドルを鮮やかに突き刺した。

 後半は長崎に押し込まれる時間帯もあった。69分にはCKからエジガル・ジュニオにネットを揺らされたが、ハンドがあったとしてスコアは動かなかった。直後の71分には、クリスティアーノが強烈な右足ミドルで狙ってきた。パンチ力のある一撃が枠をとらえるが、前半から好守を見せていた守護神スベンド・ブローダーセンが弾き出す。

 四方田修平監督は、66分、73分、88分に交代選手を送り込む。それによって守備面の強度を保ち、長崎の攻撃をかわした。試合後の指揮官は「後半は相手のパワーに押し込まれることもあって守勢にまわったが、最後のところで身体を張って頑張ってくれて、勝点3を取れたのは良かった」と総括した。

 大宮アルディージャをホームに迎えた開幕節は、2対0とリードしながらわずか3分で追いつかれた。後半アディショナルタイムのPKで競り勝ったものの、試合運びに課題を残した。それだけに、“ウノゼロ”は価値がある。四方田監督も「長いリーグ戦では、こういう勝ち方ができることも大事だと思う」と評価した。

 この日対戦した長崎は、前線からのプレスを回避するためにロングボールを活用した。とりわけ後半は、横浜FCの背後を意識することで攻勢に転じた。

 これから横浜FCと対戦するチームも、同様の戦略を用意してくるだろう。横浜FCの3バックは、高さを強みとしていない。長崎のように長身FWを擁するチームにとっては、空中戦のバトルを挑むのは効果的である。

 二重三重の対策を練ってくるに違いない相手を、横浜FCはどのように跳ね返し、攻略していくのか。次節も昇格候補の大分トリニータと激突する。四方田監督率いるチームの戦いぶりは、シーズン序盤の注目ポイントのひとつになりそうだ。

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