■「お祭り男」の姿は健在だった
ただし、それもまた槙野らしかった。いつでも全力でサッカーを盛り上げようとするお祭り男。これこそこれまで彼が築き上げてきた槙野智章というイメージそのものだった。ここで変な気を遣ったら槙野が槙野でなくなってしまう、と思えるほどだ。
2-2の引き分けで試合が終わると、槙野はピッチに倒れ込んで悔しさを露わにした。ゴールも奪い、浦和に対しては十分すぎるほどの恩返しをしてみせたが、神戸を勝たせることができなかった悔しさがそれらを遥かに上回った。
フラッシュインタビューに呼ばれた槙野は、浦和の選手たちがサポーターへの挨拶を終えてピッチを去ってから戻ってくると、まず神戸サポーターに挨拶。その後、スタジアムを一周して浦和サポーターに頭を下げたが、1時間前に見つめていたホームゴール裏にはペナルティエリアの距離を保つと、最後にもう一度アウェイ席へ向けて挨拶をしてから階段を下りていった。
■試合結果
浦和レッズ 2―2 ヴィッセル神戸
■得点
10分 武藤嘉紀(神戸)
12分 松崎快(浦和)
19分 柴戸海(浦和)
87分 槙野智章(神戸)