■現在のG大阪にぴったりの監督

 G大阪は、新監督の下で再生する。導き手は、クラブOBでもある片野坂知宏監督だ。

 その再生手腕は、大分トリニータで証明済みだ。J3からスタートし、クラブの経営規模を鑑みれば信じられないスピードでJ1へと到達した。昨季こそ涙をのんだものの、J2降格のなかった2020年シーズンも11位という通常ならば余裕で残留できる順位でフィニッシュし、3シーズン連続でJ1を戦ったのだ。

 現在のG大阪に、うってつけの監督と言えるかもしれない。前述の通りに地力があることは、このオフの補強がそれほど大きくなかったことが物語る。選手一人ひとりを立ち直らせることで、十分にチームは上昇できるというわけだ。

 大分で展開したサッカーをそのまま再現しようとはしないだろうが、「サッカーの方向性」「戦術」というエッセンスは多いにつぎ込むことだろう。新しい「カタノサッカー」を存分に見せつけてくれるはずだ。

 フォーメーションは3バック。ここ数年のG大阪に親しみのあるシステムでもある。

 選手が抜けた中盤の底とDFには新戦力を当てる必要があるが、それ以外は既存の戦力で戦える。

 移籍1年目だった昨シーズン、5ゴールに終わったレアンドロ・ペレイラも再生計画の対象となる。チーム全体の状態が上がってくれば、自然とゴールはついてくるはずだ。かつてのアーセナルに招かれたウェリントン・シウバも、まだ老け込む年齢ではない。同様に、ロシアで不完全燃焼だった齊藤未月も、たまったフラストレーションをプレーへと昇華させようとうずうずいていることだろう。

 チームの状況にぴったりの指揮官を招へいし、リベンジの用意は万端整ったと見ていいだろう。

 

タスク:「トップ5」
達成難度:★★☆☆☆

(18)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】片野坂監督の3バックに新戦力もハマる ガンバ大阪の2022年理想布陣
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