2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■各所で輝く若き才能
昨季の湘南ベルマーレは最終節までJ1残留を争いはしたが、試合内容への評価は高かった。シーズン途中から指揮を執った山口智監督の下、信じる道を歩み続ける。
昨シーズンは苦しい戦いを強いられたが、その中でも希望の光が見えていた。若い選手の活躍である。
今年の8月で20歳になる田中聡だが、もはやチームの揺らぐことのない主力だ。攻守にアグレッシブな姿は、アカデミーの先輩でもある遠藤航を思い起こさせる。遠藤も20歳になるシーズンには主力となっていたが、当時戦っていたのはJ2だった。J1で力を証明し続けている田中が、遠藤を超える存在になってもおかしくはない。
畑大雅も、昨季後半にはすっかり主力に定着した。かつての左ウィングバック、杉岡大暉が戻ってきたが、ポジションは渡さなかった。平岡太陽もルーキーイヤーから先発出場を果たし、その名のとおり、時折光るプレーを披露していた。残留を争う厳しい状況で力を発揮したメンタリティもまた、称賛に値する。
最前線には、湘南でプレーする前に期限付き移籍したスイスのクラブから戻ってきた若月大和。シオンでの出場機会は限られたが、10代で海外に渡った若者が、何も吸収せずにいるわけがない。この2年間の意義は、必ずピッチ上に表れる。