2022年のJリーグ開幕が、いよいよ近づいてきた。J2はコロナ禍以前のレギュレーションが復活した。上位2チームがJ1へ自動昇格するのに加えて、3位から6位のチームがJ1参入プレーオフを争うことになる。
J1昇格をめぐる争いは、ストライカーの戦いでもある。得点源として期待される選手の活躍は、チームの成績を直接的に左右するからだ。今シーズンのJ2で活躍が期待される、8人の日本人ストライカーを紹介する(#1、2のうち1)。
■東京五輪世代の小川が巻き返しを誓う
1シーズンでのJ1復帰をノルマとするベガルタ仙台では、新加入の中山仁斗が攻撃の陣になる。水戸ホーリーホックでプレーした20年、21年に2シーズン連続で2ケタ得点をマークしており、30歳のストライカーはいままさにキャリアのピークを迎えている。最前線で攻撃の起点となりながら、ゴール前で決定力を発揮する。利き足の左足はもちろん右足のシュートにも力みがなく、空中戦にも強い。1トップでも2トップでも機能する。
シーズンを通してケガなく稼働すれば、確実に2ケタは取ってくるだろう。ここまでのキャリアハイは20年の13得点で、中山が自身シーズン最多得点を更新すれば、仙台はJ1昇格争いに絡んでくるはずだ。
同じく1シーズンでのJ1復帰を目標とする横浜FCでは、小川航基が捲土重来を期す。
プロ7年目の24歳にとっては、止まっていた時計を動かすシーズンとなる。昨シーズンは開幕スタメンを飾ったものの、その後は一度も先発に名を連ねることができず、24試合出場で1ゴールに終わった。世代の顔だった東京五輪の出場も逃した。所属する磐田はJ2優勝でJ1昇格を勝ち取ったものの、小川自身は不本意なシーズンを過ごすこととなった。
それだけに、今シーズンに賭ける思いは強い。高校時代までを過ごした地元・横浜のクラブに完全移籍し、プロ入り後いまだ達成していない2ケタ得点を目ざす。横浜FCの前線ではブラジル人FWのクレーベ、サウロ・ミネイロ、フェリペ・ヴィゼウ、J1での実績も豊富な渡邉千真、伊藤翔らがスタメンを争うが、小川は年齢的にもFWの軸になるべき選手と言っていい。
同世代の多くは、海外クラブへ羽ばたいている。日本代表に定着している選手も少なくない。本格派のストライカーとして早くから期待を集めてきた小川にとって、今シーズンはキャリアのターニングポイントになる。