■かつてヴェンゲルも苦しんだチームづくり

 中断期間があれば、スタートダッシュに失敗しても、中断期間中に選手の補強をしたり、短期合宿を組んでチームの戦い方を変えることで立て直すこともできる。あのアーセン・ヴェンゲル監督でも、かつて名古屋グランパスの監督に就任し、当初は結果が出ず、中断期間の合宿でチームを完成させたといったこともあった。

 だが、そうした中断期間がない今シーズンは、スタートで躓いたチームはそのまま苦しい時間が続いてしまう。とくに残留を最初の目標に置くようなクラブは選手層も厚くないので、試合日程をこなしながらチームを立て直すのは至難の業となってしまう。

 開幕直後に、どのチームがコンディションの良い状態でスタートダッシュを決められるのか……。それはいつのシーズンでも重要なことだが、各チームにそれぞれの事情を抱え、また長い中断期間がない今年のシーズンではとくに大きな焦点の一つとなるだろう。

 そして、スタートダッシュについて考える際には、長いシーズンを乗り切るために意図的に開幕時にピークを持ってこなかったチームと、開幕ダッシュを狙ったものの、それに失敗してしまったチームとをしっかりと見分ける必要があるだろう。

 開幕直後のミッドウィーク(2月23日)にはACL出場チーム同士の強豪対決も予定されている。開幕直後の各チームのパフォーマンスに注目したい。

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