■刺客は「身内」からも

 昨季決して多くはないが、チーム最多の7得点を挙げた加藤陸次樹には、同い年の上門知樹が挑戦状を叩きつける。サイドハーフとしてのプレーも可能だが、J2ながら直近3シーズンで2ケタ得点の力を試さないのはもったいない。

 中盤では乾貴士清武弘嗣が絶対的な存在に思えるが、ここにもチャレンジャーがやって来る。ひとりは、日本代表選手の同僚だ。守田英正がプレーするサンタ・クララ(ポルトガル)から、ジェアン・パトリッキがやってくる。両サイドをこなすスピード豊かなウィンガーは、坂元の不在を忘れさせてくれるかもしれない。

 また、「身内」にも刺客がいる。現在、アカデミーでプレーする北野颯太だ。高校2年生だった昨季から背番号10を背負い、年代別日本代表にも選ばれている。2種登録され、プレシーズンキャンプでは、トレーニングマッチでゴールも挙げている。それぞれ16歳、17歳で柿谷曜一朗香川真司とプロ契約を結んだように、C大阪には若い選手の積極起用で成功体験がある。その列に北野が並ばないとは断言できない。何しろ小菊昭雄監督は、高校生だった香川をスカウトとしてC大阪に連れてきた人物なのだ。

 台頭すべき若手の筆頭は、喜田陽。今年で22歳と、本格的にポジションを争わなければならない年齢だ。昨季終盤に小菊監督に先発機会を与えられ、今季は背番号を「5」に変更と、期待をあおる要素はそろっている。

 この突き上げによる競争が成功すれば、1年後のファンへの説明会は、今年とまったく違ったものになっているはずだ。まずはベースを作りながら謙虚に1ケタ順位、その次にさらに先を目指せばいい。

 

タスク:「1ケタ順位」
達成難度:★★☆☆☆

(13)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】各ポジションで競争激化! セレッソ大阪の2022年シーズン理想布陣
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