2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■ファンの怒りも当然の不振
ファン・サポーターを集めてクラブの方針を伝えるイベントで、梶野智チーム統括部長には、昨季の不振の責任を問う声が続いたと報じられている。
2020年シーズンに4位に導いたロティーナ監督を指揮官の座から降ろし、60代半ばを越えて隠居も考えていたレヴィー・クルピを招へいした昨季だったが、成績不振により夏場で解任。12位でシーズンを終えていたのだから、ファンの怒りも致し方ない。
さらには、昨季のチーム2位タイの6ゴールを挙げていた大久保嘉人と坂元達裕が、それぞれ引退と欧州移籍でチームを去った。また、1月半ばを過ぎてから、瀬古歩夢のグラスホッパー(スイス)移籍が決まった。ファンの焦燥感は高まっているのかもしれない。
だが、悲観するばかりでもない。クラブフロントは不振の責任を問われたが、昨季から残る選手たちを待っているのは、チームを活性化する「突き上げ」だ。
長らくC大阪の左サイドに君臨してきた丸橋祐介に、強烈なライバルが現れた。「悪魔の左足」を持つ山中亮輔だ。とにかく攻撃的なサイドバックで、その左足はセットプレーでも威力を発揮する。C大阪の新たな武器となり得る存在だ。