2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■「歴史は背負えない」
実に12シーズンぶりのJ1での戦いとなる。京都サンガF.C.がまず目指すべきは、当然ながらJ1残留となる。
昨季のJ2ではジュビロ磐田に優勝を譲り、2位でのJ1昇格となった。だが歴史をひも解けば、優勝してJ1へ昇格してきた2006年には、1年でJ2に落ちている。一方、3位となりサンフレッチェ広島との入れ替え戦の末に昇格してきた2008年には、3シーズン続けてJ1を戦った。
だが、そんなエピソードも、チョウ・キジェ監督は一笑に付すことだろう。就任初年度にJ1へと導いた指揮官は、「歴史は背負えない」と宣言。世界に誇る豊かな歴史を持つホームタウンで戦うが、その重みやJ2で苦しんできた過去にとらわれてはいけないと説く。歴史は自分たちで築いていくだけだ。
京都で生まれたチョウ・キジェ監督が、現在のチームの成長の中心にあることは間違いない。昨季は選手たちにリスクを恐れないチャレンジ精神を植え付けた。その「キジェ・イズム」で果敢に前へと出て、栄光を奪いにいく。