■遠藤が下した不思議な選択
1月27日と2月1日に行われたワールドカップ予選2試合でキャプテンを務めたのは、遠藤航だった。中国戦ではコイントスで負け、中国のキャプテン呉曦がボール(キックオフ)を選んだ。エンドの決定を委ねられた遠藤は北側を選んだ。しかしサウジアラビア戦では、遠藤がトスに勝ち、即座にボールを選んだ。するとサウジアラビアのサレム・アルドサリ主将は南側のエンドを選んだ。
説明するまでもないだろうが、試合前のコイントスでは、勝ったほうが「ボール」か「エンド」のどちらかを選択し、エンドを選んだらどちら側を取るかを決める。この時点で、後半に攻めるゴールも自動的に決まる。トスに勝った遠藤が北側のエンドを選んだのならわかる。しかし決めたのはサウジアラビアの主将だったのだ。キックオフ直前、そのやりとりを見ていて、私はとても不思議に感じた。埼スタの北側ゴールにまつわる伝説を、短期間ながら浦和レッズでプレーしていた遠藤が知らないはずがないのだが…。