スコットランドの名門クラブが沸いている。セルティックで、日本人選手が大活躍しているのだ。
歓喜の声を上げているのは、地元のファンだけではない。現在所属する選手たちは、他の日本人選手、あるいは監督へ、ヨーロッパ入りの道を拓くかもしれない。セルティックが日本サッカーの未来を切り拓く可能性について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■日本代表にとっての利点
複数の選手が同一クラブに所属するということは、日本代表強化のことを考えても大きな意味を持つ。
つまり、クラブでのコンビネーションをそのまま代表で活用できるからだ。
たとえば、ドイツ代表では常に複数のバイエルン・ミュンヘンの選手がプレーしているし、スペイン代表はレアル・マドリードとバルセロナの合同チームのような様相を呈することもある。
遠い昔の話で恐縮だが、1966年のワールドカップでイングランドに優勝をもたらしたのはDFのボビー・ムーア、MFのマーティン・ピータース、そしてFWのジェフ・ハーストのウェストハム・ユナイテッドの3人の選手のコンビネーションによるものだったとも言われている。
代表選手の多くが国内のクラブでプレーしている時代には、そうした代表のチーム作りが一般的だった。
だが、現在のようにほとんどの国で代表選手の大多数が国外のクラブに属している時代になると、そうしたクラブのコンビネーションをそのまま代表で活用するということができる国は一握りの国に限られてしまう。