■選手交代が「戦術」となったタイミング

 プレミアリーグやバルセロナの「反対意見」の裏を返せば、5人制交代はサッカーという競技を大きく変える力をもっているということになる。

 2020年の12月に書いた記事でも紹介したが、元来「交代」という概念がなかったサッカーに正式に交代が認められたのは1960年代のことだった。当初は負傷者に限り1人だけ。次いで2人の交代が認められるようになった。無条件に2人までの交代が認められた最初の世界大会は1968年のメキシコ・オリンピックで、日本の銅メダル獲得にも、2人の交代は寄与した。

 そして2年後のワールドカップ・メキシコ大会では、西ドイツのヘルムート・シェーン監督がユルゲン・グラボウスキー、ラインハルト・リブダなどのドリブルの名手を試合の後半に投入、疲れ切った相手DFを抜いてチャンスをつくり、3位の好成績を残した。交代の「戦術的意味」が語られるのは、このときの西ドイツ以来のことである。

(3)へ続く
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