この試合で3人目の交代となる浅野を送り出したとき、アディショナルタイムを考えればまだ15分間以上のプレー時間があった。現行のルールには、「交代は3人まで」となっているので、もしそのままだったら、こんな早い時間に浅野の投入はできなかっただろう。終盤にかけて、DFの負傷や退場など、思いもかけないアクシデントがあるかもしれない。浅野を投入するとしても、あと10分近くは遅れたに違いない。
■コロナ禍でのサッカー界の対応
新型コロナウイルスがサッカーに与えた影響は数え切れないほどある。しかしその大きなひとつが「5人制交代」だ。
現行のルール(2021/22年版)第3条には、「トップディビジョンにおけるクラブのトップチームまたは各国の『A』代表チームが出場する男子および女子の競技会では、交代は、最大で3人までとする」と、はっきり書かれている。しかし2020年5月、サッカーのルールをつかさどる国際サッカー評議会(IFAB)は、臨時措置として「2020年内の競技に関しては、5人までの交代を認める」という通達を出した。
ただし、交代の方法については、いたずらに時間を浪費しないよう配慮が払われた。「ハーフタイムを除き、プレーが進行している間の交代は3回まで」としたのだ。大会ルールで「延長戦にはいった場合、もうひとりの交代を許可する」となっている場合には、6人目の交代も認められることになった。