■オーストラリアの苦戦の理由

 そして、2月1日の試合ではサウジアラビアの方が逆に移動に苦しむことになった。サウジアラビアはジッダでのオマーン戦を終えてから日本に移動し、中3日で日本との試合に臨んだ。時差調整も十分でなく、また日本の寒さに順応する必要もあった。

 1~2月シリーズではオーストラリアの選手たちも長距離移動に悩まされた。ヨーロッパからメルボルンまで移動してベトナムと戦って4対0で快勝したが、ヨーロッパの気候に慣れている選手にとっては移動距離だけでなく、夏の南半球の暑さにも苦しんだことだろう。そして、メルボルンでの試合を終えてから、再びマスカットまでの移動を強いられたのだ。その結果、オマーン戦は2対2の引き分けに終わった。

 アジア大陸内の試合のレベルを上げるためには、こうした長距離移動や気候の差という難しさを克服しなければならない。

 もちろん、長距離移動は南米やアフリカのチームにとっても大きな問題だが、南米とヨーロッパは南北の移動であり、また南米大陸自体も南北に広がっているので時差の問題はアジアほどではない(ヨーロッパと南米の時差は4~5時間)。アフリカに至っては、ヨーロッパとは時差がほとんどないのだ。

 それに対して、東アジアやオーストラリアの場合はヨーロッパとは時差が8~10時間もあり、アジア大陸自体が東西に広がっているので大陸内でも時差が6時間以上ある。オーストラリア東部時間と中東では、時差は8時間以上となる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3