■「後藤」が「五斗」に!?
日本のパスポートには氏名はローマ字だけで、漢字は書いてありません。僕の名前も「GOTO」です。しかし、中国は漢字の国。ビザのリストを覗いたら漢字で「五斗」と書いてありました。中国人は「GOTO」という名前を漢字に変換するために頭をひねったのでしょう。
当時は、どこの国でも入国時にはパスポートにスタンプを捺すのが普通でした(最近は、省略する国が多いですね)。当然、中国国境でもスタンプを捺すものと思っていたら、入国時には捺してくれませんでした。
政治的に対立している国では相手国のパスポートにスタンプを捺しません。たとえば、1974年に東ドイツに行った時も、1979年に中国に行った時も、1985年に北朝鮮に行った時も、スタンプはパスポートではなく別紙のビザ用紙に捺すだけで、パスポートにはスタンプは一切残っていません。
しかし、中国を出て香港側に戻る時、入国審査官は「スタンプ捺していいか?」とわざわざ聞いてきました。当時は、まだ中国を承認していない国に入国する時、中国のスタンプが捺してあると入国を拒否されるケースもあったので、捺されたくない人もいたからでしょう。
でも、僕は記念品としてスタンプを捺してほしかったので、「捺して、捺して」と頼みました。すると、審査官も「よっしゃー!」と気合を入れてスタンプを捺してくれました。完全に、御朱印のような感覚ですよね。
スタンプの日付もちょうど1981年の1月1日。とても良い記念品になりました。