■「スパーズとトップグループとの差は非常に大きい」

 立て直したいトッテナムだったが、チェルシーは55分に左サイドからのフリーキックをシウバが決めて2-0。後半開始10分で試合を決めた。

 仕掛ける側と受ける側という構図がはっきりしていた状況で、互いに新たな手の内がわからないならば、仕掛けた方が得だ。仕掛ける側に損はないのだから。チェルシーはそれを実践し、勝利を手に入れた。

 就任以来リーグ戦初黒星となったコンテ監督は「スパーズとトップグループとの差は非常に大きい」と語った。

 これは、素直に負けを認めているようにも聞こえるが、自クラブに新戦力の獲得を促す発言でもある。冒頭の4-4-2の採用理由のコメントと合わせると、11月の就任以来既存の戦力で一応やりくりしてきたが、移籍で戦力を整えてからが自分のチームだ、ということだ。

 ロンドンのライバルにリーグ戦でシーズンダブルを許してしまったトッテナム。コンテ監督からすれば、前半戦の黒星は前監督だが、カラバオ杯での連敗を含めると、イタリア人指揮官はこれで同一監督に今月3度目の敗戦を喫してしまった。FA杯もしくは来シーズンに訪れるリベンジの機会を逃すつもりはないだろう。次なる世界屈指の名将対決は、この日以上の修正の応酬が繰り広げられるに違いない。

 

■試合結果

チェルシー 2-0 トッテナム

■得点

47分 ハキム・ツィエク(チェルシー)

55分 チアゴ・シウバ(チェルシー)

  1. 1
  2. 2
  3. 3