「有名Jリーガーの父」を持つ僥倖と重荷【サッカー日本代表DF板倉滉と同級生「二人三脚マネジメント」の裏側】(1)の画像
ふたりで世界に挑戦する板倉選手(右)と藤川さん 提供/Seek

 現在ドイツでプレーする日本代表DF板倉滉は、今年のカタール・ワールドカップなど、今後の飛躍が期待される逸材だ。Jリーグからヨーロッパへ渡っても、年々ステップアップを遂げている。
 そんな期待の選手をマネジメントなどで支えるのが、有限会社SeeKの藤川誠人・代表取締役だ。サッカー一家に生まれ、小学校時代から板倉を知る心のよりどころでもある。
 二人三脚で成長を続ける2人の活動の裏側、さらに板倉の素顔について、藤川さんに話を聞いた。

■気づくと追っていた父の背

 神奈川県横浜市の少年サッカーチーム「あざみ野FC」は、水沼宏太(現横浜F・マリノス)ら多くのJリーガーを輩出してきた名門として知られる。小学校3年生だった板倉と藤川さんは、そのクラブで出会った。

 当時の板倉はFWなど、前線の選手としてプレーしていた。一方の藤川さんは、「気づいたらキーパーグローブをはめていました」と笑う。

 それも当然だろう。父は、読売クラブ(のちのヴェルディ川崎、現東京ヴェルディ)でGKとしてプレーした藤川孝幸さん。2018年に56歳という若さで亡くなったが、選手として、引退後は指導者、さらにクラブの代表として、サッカー界に貢献を続けた。

 テレビのバラエティ番組にも出演していたが、藤川さんは「ソファでくつろぎながらテレビを見ている寡黙な人でした。家では、基本的にあまり話しません。メディアではキャラクターをつくっていたんでしょうね」と舞台裏を明かす。

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