■さまざまな建築的な特徴
さて、国立競技場のスタンドからはサッカー(やラグビー)の試合はどのように見えるのだろうか? そんな興味があったので、高校サッカーの準決勝と決勝の時、僕は記者席ではなく2層目のスタンドの座席で観戦してみた。
結論的に言えば、この国立競技場は陸上競技場としては非常に試合が見やすい良いスタジアムのようだ。
国立競技場は、たとえば木材が多量に使われているといった建築的な特徴がある(木材の使用は設計者である隈研吾氏の得意分野である)。その結果、スタンド全面を覆う重厚な屋根はかなり重量感のあるものであるのにかかわらず、木材が使用されていることで鉄骨むき出しの場合に比べて圧迫感を感じないですむ。
そうした木材の使用や自然の風や光の取り込み方など、建築的にはさまざまな特徴がある。
しかし、ここでは「スタンドからサッカーの試合が見やすいかどうか」という視点に限って考えてみたいと思う。