■マジョルカは苦戦を強いられる

 久保がボールを受けられるのはブロックの外に下がった時に限られてしまい、ようやくボールを得ることができてもレバンテは既に5バック+3センターの2ラインが圧縮されてドン引きになっている状態。強引にドリブルしようとすればファウルで止められ、ペナルティエリア内の狭いところにパスを通そうとすればチームメイトが反応しきれず、と上手くいかない。

 マジョルカに打開策がないまま前半を0-0で終えると、後半開始1分で試合が動く。

 レバンテのエニス・バルディが低い位置から守備をかわして1人で持ち上がり、中央で浮き球になったところで見事なパス。これに抜け出したのはレアル・マドリードバレンシア、トッテナムでプレーしていた元スペイン代表のストライカー、ロベルト・ソルダード。36歳になっても衰えない決定力でしっかりとゴールを決め、レバンテが先制に成功した。

 人数をかけた守りでゴールを許さず、縦に速い攻撃でゴールを奪う、という狙い通りの試合展開に持ち込んだレバンテは、エリア外からのシュートを積極的に放つことで優勢を保とうとする。エリア外からシュートを放つということ自体はマジョルカもレバンテも変わらないが、レバンテの方は、リスクをかけずにシュートで攻撃を終えるというポジティブなものとなった。

 追いかけるマジョルカは、前半と変わらずブロックの外でしかボールを持てず。56分には久保がエリア外から強引なシュートを放つが大きく浮いてしまった。マジョルカのエリア外からのシュートは、手詰まりの象徴というネガティブなものであり続けた。

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