■何度も動き直し、空いたスペースをいち早く見つけて「先に入る」

 190cmの恵まれた体とスピードを持ちながら、以外にもゴールシーンではフィジカルに頼っていないのがヴラホヴィッチの特徴だ。実際、得点のほとんどが2タッチ以下で、3タッチ以上で決めたゴールはあまり見られない。

 では、どのようにして得点を量産しているのか。その秘訣が顕著にあらわれたのが、ハットトリックを達成したセリエA第11節スペツィア戦の3得点目だった。1度ペナルティエリア左でパスを受けようと体の向きを整えたヴラホヴィッチだが、パスが出ないと判断してすぐに態勢を立て直す。そしてペナルティエリア右で味方がクロスを上げようとするや否や、空いた中央のスペースをいち早く見つけてすぐに移動。先手を取られた相手DFは後手に回り、フリーでヴラホヴィッチにシュートを打たせてしまった。

 このように、スペースへの高い認知能力を活かして得点を量産するヴラホヴィッチだが、当然他のクラブは獲得を画策。さらに先日、クラブの会長であるロッコ・コミッソ会長は、この21歳に契約延長を断られたと告白した。本人は母国メディアのインタビューで「フィオレンティーナをヨーロッパの舞台に連れて行きたい」と今季残留を示唆していたが、その去就は果たして。

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