■主力の多くが30代
主力は30代に入っている選手が多く、2021年にはJ1開幕戦のスタメン以外でリーグ戦の出場時間が1000分を越え、現在も残っている20代の選手は車屋紳太郎と橘田健人だけだ。車屋も、4月には30歳の誕生日を迎える。順調に見える川崎だが、実は重大な過渡期に直面しているとも考えられるのだ。
家長昭博が年齢を重ねるにつれて輝きを増しているように、30歳が選手のピークを測るラインになるわけではないが、クラブには先も見据えたチームづくりも求められる。その「先」とは数年後ではなく、主力の移籍や負傷など、2021年の川崎のように突然訪れることもあるのだ。
求められるのは、20代の選手の突き上げだ。現状で他クラブから唯一の獲得選手となっている瀬古樹は、大卒3年目。これまでも川崎では大卒の若手がチームに新たな力を与えており、新たな刺激となることが期待される。ただし、これまでの例が示しているように、「川崎のサッカー」に、すべての選手が簡単に馴染めるわけではない。
負傷から完全復活するであろう大島僚太は十二分に計算できるが、遠野大弥、知念慶ら既存戦力もチーム内の競争を活発させることが必要だ。あるいは、その刺激を外部からの新しい血に求めるのか...。
新陳代謝を繰り返しながら強さを保つことは容易ではない。3連覇が一度しか達成されていない事実が、何よりの証左である。