■若きタレントを活かし切れないバルセロナ
バルセロナは、その点でアンチェロッティ・マドリーとは対照的だ。
ガビ、ニコ・ゴンサレス、アブデ・エザルズーリ、アレハンドロ・バルデ、イリアス・アコマック、フェラン・ジャングラ、オスカル・ミンゲサ、リキ・プッチ、ロナウド・アラウホ…。近年、台頭してきたカンテラーノは枚挙にいとまがない。
“未来”という観点では、希望がある。だが、未来に目を向けすぎるあまり、現在から目をそらしていいわけではない。
今シーズンも、ロナルド・クーマン前監督の下では経験不足の感が否めなかった。スペイン代表としてデビューしたガビも、クーマンのチームではポジションが定まらず、パフォーマンスが安定しなかった。ビッグマッチで勝てず、リーガでも格下相手のドローや敗戦で勝ち点を取りこぼした。若手を育成しているというよりも、頼らざるを得ないと言った方が的確で、選手が育つ上でもプラスに働くとは思えない。
シャビの就任はバルセロニスタの期待を煽るものだった。自身もカンテラーノだったシャビならば、若きタレントだけはあふれている現状でチームを引き上げるのに、うってつけの人材だと思われたからだ。11月8日に行われた“シャビ監督“のお披露目には9万4222人のサポーターが集まった。
しかしながら彼が就任して1カ月あまりが経ち、現実を突きつけられている。リーガでは8位に沈み、チャンピオンズリーグでは21年ぶりのグループステージ敗退が決まった。