■三笘の投入という2つめの勝負手
続くオマーン戦も、4-3-3が採用された。守田に代わって先発したのは柴崎だが、前半だけで退く。
代わってピッチに立ったのは三笘だ。前半を0対0で折り返し、先制点が欲しい局面で、24歳のドリブラーがついに起用された。
森保監督はベルギー移籍後の三笘を追跡し、招集のタイミングをはかっていた。3試合連続でスタメン出場したことを受けて、11月シリーズに招集した。
一方で、三笘にとってはデビュー戦である。ホームで苦杯をなめたオマーンからアウェイで勝点3を奪い返すのが、この試合のタスクだ。三笘がプレッシャーを感じてもおかしくない。
リスクもはらむ交代は、結果的に試合の構図を激変させた。三笘はファーストプレーで特大のインパクトを記し、そのまま左サイドを制圧した。後半36分には左サイドをえぐり、伊東の決勝点をアシストしている。三笘の投入はオーストラリア戦のシステム変更に続いて、森保監督による勝負手だっただろう。
このオマーン戦では、左サイドバックの中山が後半17分から出場している。徐々にプレータイムを伸ばしていた彼は、三笘のアシストにつながるパスを供給した。
左サイドをワイドに使う三笘がいるなら、サイドバックの攻撃参加は控え目でもいい。最終ラインに高さをもたらすことができる中山の起用は、三笘とのタテのラインで見ても無駄がない。東京五輪代表のふたりを揃って起用したことも、オマーン撃破につながったと考えていいだろう。三笘の投入に伴って4-2-3-1へ変更したが、十分に使い慣れているシステムである。こちらも、無理なく機能した。