■数字だけで測り切れない強さ

 それでも、2001年の磐田が恐ろしく強かったことには変わりない。

 当時のJリーグは、2ステージ制であるだけではなく、90分間を戦い終えて同点の場合は延長戦に突入するというレギュレーションだった。2001年の磐田は16チーム総当たりの1stステージの15試合で13勝を挙げているが、そのうち90分間での勝利は9試合だった。残る4勝は延長戦での勝利だが、これはすべて引き分けとして計算してみる(延長戦を終えての引き分けも1試合あった)。2ndステージも同様にカウントすると、2001年の磐田の年間勝点は67。これを年間試合数の30で割ると、1試合あたりの獲得ポイントは2.23となる。

 つまり、20年の時を経て両チームを比べると、1試合平均の勝点では川崎が上回っているのだ。

 ただし、気になる点もある。2001年の磐田は、90分間を終えて突入した10回の延長戦で、8度も勝利をもぎ取っているのだ。そのタフさ、勝負強さには恐れ入る。

 このように、強さは単純に数字だけで測れるものではない。通常より長く、途中で主力数名がヨーロッパへ移籍しながらも耐え抜いた2021年の川崎の強さもまた、称えられるべきである。

 2022年の川崎は、2021年の自分たちを越えていくことを目指すだろう。他のチームも、「最強」を目指して前進を続ける。少しのオフを経て、また楽しみなシーズンがやって来る。

PHOTO GALLERY ■【一覧画像】4度優勝の川崎など、ここ5シーズンのトップ2の勝点の比較
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