■伝説的強さの20年前の磐田と比較
他にも比べてみたいチームがある。やはり歴代最強に推す声が強い2001年のジュビロ磐田だ。
当時の磐田は、「世界仕様」のチームだった。夏に控えるFIFAクラブ世界選手権への出場が決まっており、ジネディーヌ・ジダンやルイス・フィーゴ、ラウルらがそろうレアル・マドリードを倒すことを、本気で狙っていたのだ。
そのために練り出されたシステムは、N-BOXと呼ばれた。3-5-2のフォーメーションで、GKヴァン・ズワムの前には鈴木秀人、田中誠、大岩剛が3バックを形成する。特徴的なのが、5人の中盤だ。ボランチの服部年宏、福西崇史とサイドハーフの藤田俊哉、奥大介が四角形を形成し、その中心に据えられた名波浩の頭文字を取って、N-BOXとされたのだ。2トップは中山雅史と高原直泰という破壊力抜群のストライカー。ベンチにも西紀寛やまだプロ入り2年目の若き前田遼一らタレントが控えていた。
2001年は2ステージ制で、ファーストステージは制したものの、チャンピオンシップでライバルの鹿島アントラーズに敗れてはいる。チームの頭脳である名波浩の負傷離脱も響いただろうが、実は世界選手権は運営上の問題で中止されており、そのショックが多少なりとも影響したのかもしれない。