FC東京では監督と選手に「飽き」があった

大住「替わった方がいいのに、残った監督もいたなあ。2021年シーズンを見ていて、長谷川健太監督は辞めた方がいいなと思った。FC東京で指揮を執るのに飽きたんじゃないかなと感じた」

後藤「選手も飽きていたよね」

大住「何だか粘りがなかったんだよね。それから、ネルシーニョ監督だよね。柏レイソルのサッカーに、若さがなくなっちゃっていた。ネルシーニョは本当に勝負に厳しい人で、昔はレフェリーの判定がおかしな試合で負けると、水を向けたら百万遍もレフェリーへの文句を言ったのに、最近は『レフェリーが判断することだから』とかいって、良い子になっちゃって(笑)。ネルシーニョのことは大好きなんだけど、執着がなくなってきたのかなと感じたね。むしろ、湘南の浮嶋監督については、どうして切っちゃうのかなと思ったけど」

――はっきり解任とも辞任ともせず、退任という発表でした。

大住「日本のクラブは、よく分からない。プロの監督だったら、解任されるべきだと思うんだよね。加茂周さんは日本代表監督を辞めさせられた時、何と発表するかと聞かれて、自分で『更迭にしてくれ』って言ったんだよね。解任された監督は、雇う側の都合で解任されるんだから、契約金は全額もらえるわけだよ。だけど、辞任したらもらえないわけですよ。別に加茂さんがおカネが欲しくて『更迭』と言ったわけではないけど、監督交代は誰が決断したのか、それははっきりさせないといけない。小さなクラブだと解任すると非常に困るので、辞任してくださいとなるのかもしれないけど…」

後藤「ヨーロッパの金持ちクラブなら、1シーズンで何人も解任するけどね」

大住「ブラジルでも、1年に4、5人分もの監督の給料を払うクラブはあるよね。だから、クビになった監督ほど良い職業はないんだよね。遊んで暮らせるんだから。今回の湘南が実際のところどうだったのか外からは分からないけど、あれだけ良い仕事をして良いチームをつくった監督を替えちゃっていいのかな、と思うよね」

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