■報道陣を出迎えた大福餅

 こうして、無事にブラジルのビザも取得して、いよいよ試合当日になりました。ところが、「この日は悪天候のためチャーター機は出発できない」という連絡が来たのです。代わりにバスが出るというのです。

 飛行機代(約61万グアラニー=約2万円)は払い戻されましたが、ビザ代の19ドルは戻って来ません。いや、お金のことではなく、ビザを取るための時間と労力が無駄になってしまったのです。というより、ペドロ・フアン・カバジェロまでの長いバス旅行をしなければなりません。

 さて、ペドロ・フアン・カバジェロに到着して、まずビックリしたのは日本人記者団用に大福餅が用意されていたことです。

 パラグアイには多くの日本人が移民として渡っていたのです。最初の日本人移民がパラグアイに到着したのは1912年とも言われていますが、第2次世界大戦後にも多くの日本人が入植しています。そんな日系人コミュニティーがペドロ・フアン・カバジェロ近郊にもあって、日本代表の試合を楽しみにしていたというわけです。そして、記者団用に大福餅を作って歓待してくれたのです。

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