■国際Aマッチ122試合目の悲劇
雨が降りしきるエスタディオ・リオ・パラピティ。19時にキックオフされた試合は0対0で折り返しました。ボリビアは前半のうちに退場者が出ていましたが、53分に後にボリビア代表監督にもなるエルウィン・サンチェスがFKを決めて、ボリビアが先制します。しかし、72分には奥大介がペナルティーエリア内で倒されて得たPKを呂比須ワグナーが決めて同点とした日本は「1勝」を目指して1人少ないボリビアを相手にさらに攻撃をしかけました。ところが、83分にキャプテンの井原正巳が2枚目のイエローをもらって退場となってしまったのです。
その後、若手に切り替えることを決めていたトルシエ監督は井原を招集することがなく、代表キャップ数122という日本代表のレジェンド井原正巳にとってはこのペドロ・フアン・カバジェロでのボリビア戦が最後の代表戦となってしまったのです。それも、「退場」という形で……。
ちなみに、井原にレッドカードを突き付けたレフェリーは、2002年ワールドカップの韓国対イタリア戦でイタリアのフランチェスコ・トッティを退場させ、さらにイタリアのゴールを取り消したことでその“悪名”が世界に轟くことになったバイロン・モレノ氏でした。
寒いパラグアイでの連日の観戦で風邪気味だった僕は、ペドロ・フアン・カバジェロの寒さでさらに症状が悪化したようで、アスンシオンに向かう帰りのバスの中で発熱。意識朦朧としながらホテル・アルメレに帰り着いたのでした。