■ピッチに入る“ルーティン”を行っていると……
槙野はピッチに入る際、ルーティンである“儀式”を行った。そんな背番号5に駆け寄ったのが、GK西川周作だった。2人は、かつて所属していたサンフレッチェ広島時代からのチームメイトで、浦和では2014年からともにプレーする仲。そんな西川が、自分の腕に巻かれていたキャプテンマークを槙野の渡すために、走ってきたのだ。
槙野がそれを左腕につけようとすると、そこに近寄ってきたのが小泉佳穂だ。小泉は、槙野の腕にそのキャプテンマークを巻いてあげた。2人の思いが込められたキャプテンマークをつけて、槙野は試合に入ったのだ。
試合はその後、大分・ペレイラのヘディング弾で追いつかれたものの、槙野が直後に勝ち越し弾をゲット。延長戦必至を思われた状況で、チームにタイトルをもたらす殊勲のゴールを決めたのだ。
感極まった槙野は走り出すと、ユニフォームを脱いでサポーターの元へ。多くの選手が槙野のもとに走り寄っていった。浦和ラストマッチで、お祭り男の名にふさわしい活躍だった。そして、その最後まで近くにいたのが、小泉だった。上半身裸の槙野と肩を組んで歩いた。
試合はそのまま終了。槙野は優勝トロフィーを宇賀神とともに持ち上げて記念撮影に挑んだ。契約満了する選手とは思えないほど、チームの中心でムードメーカーであり続けた。