■12月19日/天皇杯決勝 浦和レッズ 2-1 大分トリニータ(国立)
今季から浦和レッズを率いているリカルド・ロドリゲス監督にとって、初めて挑んだ天皇杯決勝戦。浦和にとっては3大会ぶりのタイトルマッチであるだけでなく、“惜別”の意味も持っていた。今季限りで、レジェンド・阿部勇樹の引退が、さらにDF宇賀神友弥とDF槙野智章は退団が決定。この試合が3人にとっての浦和レッズ最後の試合でもあった。
この日のスターティングメンバーに3人の名前はなかったものの、宇賀神と槙野はベンチ入り。メンバー外となった阿部は、スタンドから試合を見守った。キックオフは14時。大挙して駆けつけた浦和サポーターが国立競技場の観客席を真っ赤に染めた中で、試合が始まった。
試合は早くも6分に動く。大分サポーターの目の前で、右サイドから関根貴大がマイナスに折り返したボールを江坂任がきれいに流し込んだのだ。天皇杯準決勝では、川崎フロンターレが幾度も決定機を作りながら耐えた大分守備陣を、開始早々に破ったのだ。
後半に入ると、試合の流れは大分に傾く。その状況で、リカルド・ロドリゲス監督が交代カードを切る。72分にキャスパー・ユンカーを下げて宇賀神を投入。そして83分の2枚替えでピッチに送り込まれたのが、浦和ラストマッチとなる槙野と、新進気鋭のドリブラーである大久保智明だった。