【天皇杯準決勝・川崎フロンターレVS大分トリニータ】大分トリニータGK・高木駿にとっての「一生忘れられない日」原悦生PHOTOギャラリー「サッカー遠近」の画像
PKで川崎のボールを阻止した大分トリニータの高木駿 大分トリニータ対川崎フロンターレ(20211212)撮影:原悦生(SONY α9Ⅱ使用)
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川崎フロンターレ大分トリニータ 12月12日】

 こんな日がある。

 こんな日があってもいいじゃないかと思っても、こんな日はめったにやって来ない。

 でも、こんな日があった。

 大分のGK高木駿にとって2021年12月12日の等々力は忘れられない記憶になった。

 よかったけれど、残念というのではない。よかった上に、結果までついてきた。

 ペナルティ・シュート・アウトはGKにとっては、スタジアムの全員の視線を浴びる心臓破りの心理戦。だが、高木は意外とリラックスしていたという。

 川崎7人目のキッカー山根視来のシュートを左に飛んで止めたが、すぐには喜ばずに立ち上がってレフェリーの方を見ていた。もしかしたら、何かあったのか、と疑ってしまうような間だった。センターサークルからもベンチからもチームメイトが駆け寄ってきた。ここで止めたら勝ちということを忘れてしまっていたらしい。

「ああ、そうか、勝ったのか、みたいな感じだった」

 川崎に打たれたシュートは28本。コーナーキック14本。延長で1点を許したが、何かに憑かれたように高木はボールに向かっていた。味方が最後の最後で追いついてのPSOだった。

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