■「夢のようなちょっと信じられない結果になった」
「今日は自分でもびっくりするくらいによいプレーができた」
片野坂知宏監督にとっても、それは感慨深いものだっただろう。
作戦は「4バックでの川崎へのチャレンジ」だった。
「こうして試合が終わった後でも、勝てたという実感がない。夢のようなちょっと信じられない結果になった」
サポーターに挨拶に行ったとき、片野坂は最初、笑顔だったが、それは移動の途中で一瞬だけ、泣き出しそうに変わった。
そして片野坂は弾けたように喜んだ。
シーズンは18位に終わり、大分は来季J2に降格する。片野坂はJ3から6年間にいた大分を去る。
天皇杯はノックアウトだが、幸運だけでは勝てない。
今季リーグ優勝そして天皇杯前年覇者の川崎と120分戦った末のペナルティ・シュート・アウトでの勝利は特別のものだ。
12月19日、国立競技場での決勝、大分は浦和と対戦する。