■さすがに久保にも無理だった
アトレチコへのあのゴールがあったにもかかわらず、チームメイトは久保にボールを集めるわけではなく、ロングボールに頼り出した戦い方も変わらなかった。
地上戦に優れている久保が怪我で長期離脱してスタメンから姿を消したことで、マジョルカはいわゆる下位チームの戦い方をするようになった。それは当然の選択だ。キーパーソンがいなくなったのに同じ戦い方をするわけにはいかない。この試合では強風の影響を軽減するためにグラウンダーのボールを多めに使ったが、それを途中で断念したようにロングボール主体の戦い方がベースにある。
ただし久保は復帰し、監督は意図のある選手交代を行った。
しかし、消耗してきた選手たちはそれに合わせて変わることができない。これは昨年のヘタフェでも度々見られた光景だ。
良い波に乗りたかった久保だが、この試合ではどうしようもなかった。
久保のせいではない。監督のせいでもない。風のせいというわけでもない。風によって選手たちの消耗は早まり、地上戦の断念に繋がりはしたが、風がなければ初めからロングボールを使っていただろう。そして、決してチームメイトのせいでもない。
これは、下位チームでプレーする選手の宿命だ。
ただし幸運にも昨年よりは良い状況にある。離脱前にそうだったように、久保がスタメンとして復帰した時、チームは戦い方を再び変えるだろう。今はその時にプレーで牽引できるようにコンディションを高めていくしかない。
■試合結果
マジョルカ 0-0 セルタ