■明本「自分がチームを引っ張っていく存在になりたい」
昨今の浦和は、世代交代が加速している。MF阿部勇樹が今シーズン限りでの引退を表明し、チームに長年在籍したDF槙野智章とDF宇賀神友弥も退団が決定している。
そんな中、前々節の清水戦では、残留をかけて争っていた相手に対し、後半アディッショナルタイムに失点し、黒星を喫した。明本は、その清水戦後にベテランからの声かけやチーム内でのコミュニケーションがあったと明かす。
「清水戦で負けてから、チームでもう一回立て直そうと全員で共有して、名古屋戦に向かうことができたので、選手のコミュニケーションや選手の配置、距離感もよかった。清水戦のあと、メンタル的な部分での立て直しとか、阿部さんの引退や退団選手の発表もあったので、そういった状況の中で、もう一度、チームとして引き締めていこうという声かけが阿部さん自身からあった。僕も、その阿部さんの言葉で奮い立たされましたし、やってやろうという気持ちになりました」
また、同じポジションを務める宇賀神の退団については、「ウがくんから学んだことも多く、これからも学んでいきたかったので、ショックだし、とても寂しい。毎試合アドバイスをくれて、特に僕がSBになってからは、どうしたらいいのかも教えてくれたり、ウガくんがベンチにいても声をかけてくれた。練習でもチームを盛り上げてくれたりと、今シーズンはそういった背中をずっと見てきた」と話し、「浦和の功労者なので、それを引き継いでいかなければと思う。そういった姿を目に焼き付けて、来年は僕がチームを引っ張っていきたいです」と、新たな浦和のリーダーとして自ら名乗りを上げた。
今シーズンは、負傷で離脱していた期間以外は、ほとんどの試合に出場した明本。「コロナ禍で移籍してきて、1年目で試合にたくさん出させてもらったので、充実したシーズンだったが、天皇杯を獲得してからこういったことを言いたいですね。アジアに向けての大事な一戦。」と話す。敬愛する先輩たちを笑顔で送り出すためにも、自身にとって最善のシーズンだったと総括するためにも、まずは決勝に駒を進めたい。