■期待以上に強く込み上げる懸念
しかし私がこのウズベキスタン戦で最も強い懸念を抱くのは、こうしたことではない。22人が選ばれたが、そこには明らかにチーム内での状況の違いがあり、11月のメンバー外から中国戦とサウジアラビア戦のメンバーにはいることは、実際には至難の業ということである。極端な言い方をすれば、12人の選手たちは、11月のメンバー10人だけでは練習も試合もできないのでポジションの穴埋め、あるいはトレーニングパートナーの意味合いが強い。それを選手たちはどう感じ、どう割り切ってこの代表活動に臨むのだろうか。
思い浮かぶのが、2004年の悪夢だ。2月18日のワールドカップ予選(ホームのオマーン戦)に備えて、日本代表は2月12日にイラクとの親善試合を組んだ。イラク戦には24人の選手が臨んだのだが、「欧州組」はMF中村俊輔(レッジーナ)とFW柳沢敦(サンプドリア)の2人だけだった。しかし6日後のオマーン戦には、MF中田英寿(パルマ)、MF稲本潤一(フルハム)、FW高原直泰(ハンブルガーSV)、そしてFW鈴木隆行(ヒュースデン・ゾルダー)の4人が帰ってきて、鈴木以外の3人が先発、この当時のワールドカップ予選ではベンチ入りメンバーが18人だったため、イラク戦後に5人が外され、オマーン戦では残る23人のうち5人がメンバー外となった。