後藤健生の「蹴球放浪記」第88回「僕がフロリダ通りでネクタイを買ったわけ」の巻(2) 「本気だった日本人選手獲得の意志」の画像
ボカ対リーベル。スーペルクラシコの取材許可証。ロッカールームにも入れる 提供/後藤健生
■【画像】2001年ワールドユースのチケット。珍しいことに紙製ではない代物

 サッカージャーナリスト・後藤健生は、フリーランスとして自由に生きる。ただし、礼節を忘れることはない。地球の裏側アルゼンチンにおいて、名門クラブのプレジデンテ(会長)を相手にも、自然体かつフォーマルに、インタビューをこなすのであった。

■中田英寿の同僚が…

 さて、インタビューの当日、オフィスの近くで通訳とフォトグラファーと待ち合わせてマクリ氏のオフィスに向かいました。フォトグラファーは、アルゼンチン在住のジャーナリスト、チヅル・デ・ガルシアこと藤坂千鶴さんのダンナさんのガルシアさんです。

 オフィスでマクリ氏の執務室の前で待っていると、先客の男性が出てきました。ビシッとスーツで決めた、非常に体格のいい男性でした。

 フォトグラファーのガルシアさんが言いました。

「見ろよ、バルボだぜ」

 あ、本当だ! 当時はセリエAのASローマに所属していたアルゼンチン代表FWのアベル・バルボです。僕はスカパー!でセリエAの解説もしていたので、ローマの試合を担当したことも何度もあって選手としてのバルボは見慣れていたのですが、スーツ姿だったのでガルシアさんに言われるまで気が付きませんでした。

 バルボは、翌2002年にボカに移籍してそこで引退することになるのですが、その相談でもしていたのでしょうか?

PHOTO GALLERY ■【画像】2001年ワールドユースのチケット。珍しいことに紙製ではない代物
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