■プレジデンテがプレジデンテに!?
さて、そのマウリシオ・マクリ氏ですが、その後2005年には国会議員となって念願の政界入りを果たすと、ブエノスアイレス市長を経て、2015年には大統領に就任しました。ボカ・ジュニオルズのプレジデンテが、アルゼンチン共和国のプレジデンテ(PRESIDENTE・DE・LA・REPUBLICA)になってしまったのです。
かつて、インタビューをしたことのある人物が大統領になったというのは、僕にとっても感慨深いものがありました。
前任のアルゼンチンで初めて選挙で選ばれた女性大統領、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領の左派路線から親米で新自由主義的な路線に切り替えたマクリ大統領でしたが、結局4年後には左派候補に敗れて1期だけで退任となりました。ちなみに、マクリ大統領を選挙で破ったのが現職のアルベルト・フェルナンデス大統領。女性大統領だったクリスティーナは現在は副大統領を務めています。クリスティーナは2003年から07年までは夫のネストル・キルチネルが大統領だったので4年間ファーストレディーを務め、その後8年間は自らが大統領となり、現在は副大統領というのですから、なかなかすごい政治家人生です。
ちなみに、歴代のアルゼンチンの大統領にはサッカークラブの会長を経験した人は多いようです。反対派が政権を握っている時代には公職に就けないことが多いので、サッカークラブの会長になることで民衆への影響力を維持するのが目的だそうです。