2021年のJ1リーグが終了した。4節を残して川崎フロンターレの優勝は決まっていたが、最終節までもつれた争いもある。J1残留というサバイバルレースである。最後まで残ったJ2降格の1枠には、徳島ヴォルティスが収まることになった。初めてのJ1残留を争った徳島には、何が足りず、これからの歩みには何が必要なのか。
■7年前とは違う風景
初めてJ1に挑戦した7年前とは、違う風景だった。初めてJ1に昇格した2014年には、5節を残して1年でのJ2リターンが決まってしまった。2度目の挑戦となった2021年は、最終節まで残留を争っていた。
スタイルも大きく変わっていた。前回は小林伸二監督の下、堅固な守備からのカウンターで2013年のJ2を4位で終え、プレーオフの末にJ1の舞台に上った。今回は、スペイン人のダニエル・ポヤトス監督の下、自分たちからアクションを起こすサッカーで前進を試みてきた。
だが、残酷な言い方ではあるが、結果はどちらも変わらなかった。ともにJ1残留というミッションには失敗したのだ。
生き残りを懸けて臨んだサンフレッチェ広島相手の最終節でも、ボール保持率は6割を超えていた。それでも開始11分までに2点を失い、最終的には4ゴールを献上して敗れている。
ここまでに至る道中でも、ボール保持率では他のJ1チームに引けを取らないゲームを展開してきた。それでも、最終的にはJ1に生き残ることができなかった。