■北九州と愛媛も守備的に戦わず…

 ギラヴァンツ北九州のJ3降格も、シーズン開幕前には予想できなかっただろう。J2復帰1年目で5位に躍進した20年シーズンのチームから、主力が大量に移籍していたのは事実である。それでも、小林伸二監督はサッカーを大きく変えることなく、自分たちで主導権を握るスタイルで勝負していった。戦いかたのスタンスとしては、松本と同じである。21位の愛媛も、極端な守備戦術はとらなかった。

 J2に残留するためには、勝点を積み上げていかなければならない。そのためには、ずっと守っているわけにはいかない。攻めなければならない。そして、北九州には2ケタ得点をあげた高橋大悟がいた。大宮から期限付き移籍の富山貴光も、7得点をあげている。

 愛媛では藤本佳希が10得点をあげ、川村拓夢が8得点を記録した。北九州も愛媛も点を取れる選手はいただけに、守備重視で手堅く勝点を積み上げていく戦術を、割り切って選びにくかったのかもしれない。

 19位で降格となった相模原は、J3からの昇格チームである。最終節まで残留の可能性を残したのは、評価に値するだろう。6月に就任した高木琢也監督は、6勝9分11敗の成績を残した。限られた戦力でギリギリまで粘った、と言っていい。

 ここからはオフに突入する。J3へ降格するチームはもちろんJ2にきわどく残留をしたチームは、戦力を保持できるかどうかという課題と向き合う。主力選手はJ2の上位やJ1のターゲットに成り得るからだ。長かったシーズンは終わり、新たなシーズンへ向けたピッチ外の競争が始まる。

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