■ベンチには「時間が限られた」選手たち

 ベンチには、ベストイレブンから泣く泣く落とした2強の選手たちの他、選出にある意図を込めた。それは「出場時間の限られた選手たち」だ。

 酒井宣福(サガン鳥栖)は、今季ここまでリーグ戦28試合に出場しているが、先発と交代出場はほぼ半々。それでも、チーム内で山下敬大に次ぐ8ゴールを挙げている。交代出場からの得点もあり、まさに流れを変える存在。ベンチスタートでも、貢献度と印象度は高い。

 武藤嘉紀(神戸)とシュヴィルツォク(名古屋)は、違う意味で出場時間が限られた。シーズン途中でのJリーグ入りだったからだ。

 それでもシュヴィルツォクは14試合出場で7得点と、2試合に1ゴールのペースを刻んでいる。武藤も13試合で5得点。さらに、自らゴールに迫るだけではなく周囲を活かす働きも素晴らしく、終盤の神戸の加速に貢献度大だった。

 大卒で北海道コンサドーレ札幌に加入して2年目(2019年には特別指定選手として出場)の金子拓郎は、ここまで交代出場は1度のみのリーグ戦全試合出場と、大車輪の活躍。さらには開幕戦の2得点など計7ゴールを挙げ、目に見える結果も残した。神戸が関心を寄せていると噂されるのもうなずける。

 これらの選手をまとめるのは、リーグ最多優勝を記録した鬼木達監督。この選出に異論が出ることはないだろう。

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