■鍵を握るのは「明本の配置」

 4-2-3-1を基本形としながらも、今シーズンは4-4-2や4-1-4-1でスタートした試合も多数あり、途中から5バックにして臨んだこともある。フォーメーションも選手起用も、選択肢は多岐にわたるが、そのなかでも鍵を握るのは、明本をどこに配置するかだろう。

 明本はチームでも随一のユーティリティプレーヤーで、右サイドでも左サイドでもプレーが可能。今シーズンはセンターバック以外のすべてのポジションで起用されているという強者だ。主戦場は中盤ではあるものの、リーグ中断明けからは左SBで先発出場が続き、ストライカーであるユンカーやFW興梠慎三の代わりにワントップを任される試合もあった。運動量も豊富で、試合終盤になっても走り負けないスタミナを兼ね備えている。

 第32節のG大阪戦で負傷し、まだ実戦復帰できていない状態だが、天皇杯の獲得に向けて明本の調整が続いている。さらに、リーグ優勝を狙う来シーズンにおいて、浦和の強みになりつつある多彩なフォーメーションやスタメンの起用を継続していくためには、やはり明本の存在は欠かせないものになるだろう。

 明本を主軸にした布陣にすれば彼の強みを活かすこともできるし、明本の配置を変えることでチーム全体の弱点を補うこともできる。そういう意味では、明本がどのポジションで起用されるかによって、チームの現状を知るためのひとつの指針にもなるかもしれない。

 今後、リカルド監督はどんな布陣で、選手をどのように配置していくのか。就任2年目となる来季には、我々が想像もしないような起用法も飛び出すかもしれない。「3年計画」のラストを飾るシーズンに期待が高まる。

PHOTO GALLERY 「若手に期待」バージョンの浦和レッズ リカルド・ロドリゲス監督の理想フォーメーション
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