■大久保「慎重になりすぎてしまった」
試合後の会見で、リカルド・ロドリゲス監督は、「我々は快適にプレーができなかった。ポストに当てられたシーンや失点シーンなど、1本2本のチャンスを相手にものにされた印象で、我々が目指すところには遠かった。後半は少しボールを持てる場面も出てきて、試合をうまく支配できていたところもあるが、相手にとって危険になるようなプレーが少なかった」と、唇を噛んだ。
また、「ボールを持っているときの幅や外を使ったときの最後の質、クロスの質などが足りていなかった。狭いスペースの中、コンビネーションでゴールに迫る場面はあったが、そういった部分で幅や崩しが足りなかった」と、思い通りにならなかった点を繰り返し主張した。
大卒ルーキーのMF大久保智明は、前節に続いて2試合連続の先発起用となり、この試合では2本のシュートを記録したが、「清水は引いて守ってきていたので、終わってから考えてみると、相手のプラン通りだったのかなという印象。90分の中で自分たちも慎重にいきすぎてしまって、(ボールを保持して)こねすぎたというか、シュートや決定機が少なかったので、もっと単純にミドルシュートで狙うとか、シュートを打って相手を引き出せればよかった。ミスを恐れずにやるべきだった」と、無念の表情を浮かべた。
大久保が言うように、残留を争う清水にとって、今節は負けられない一戦であり、勝ちたいという強い気持ちは、攻守のあらゆる場面で相手のほうが上回っていたようにも見える。
西川も好セーブを連発したが、「失点シーンの前に、自分たちも前がかりになってカウンターになりかけたりと予兆はあったところで、最後のバイタルのところで詰めの甘さが目立った。自分たちが良くなるために改善するところが見えた試合だと思う。自分たちがボールを保持する時間が長いと良い感覚はあるが、逆にカウンターやセットプレーで隙を見せると一気に負けてしまう。笛がなるまで集中を切らさないことは、これからも大事になってくる」と、悔しそうに振り返る。
そこには、今シーズン限りでチームを去る仲間と、ホーム最終戦で勝利を分かち合いたいという強い思いがあったようだ―。
■試合結果
浦和レッズ 0―1 清水エスパルス
■得点
93分 中村慶太(清水エスパルス)