2021年のJ1リーグは、早々に川崎フロンターレの連覇が決まった。一方で、J2降格チームも3チームが、2試合を残して決定した。大分トリニータ、ベガルタ仙台、横浜FCは、来季をJ1で戦うことはできない。
クラブの行く末を大きく左右するJ2降格。なぜ避けられなかったのか。さまざまな角度から検証する。
今回の対象は、クラブ史上2度目の降格となった横浜FC。
■裏目に出た野心
横浜FCは昨季、見事に残留を成し遂げた。新型コロナウイルスの影響を鑑みた特別なレギュレーションにより降格がなかったのだから当然ではあるが、例年ならプレーオフにもまわらずJ1生き残りが決まる「残留圏」の15位でフィニッシュ。13年ぶりに上ったJ1の舞台で、初めての残留を果たしたのである。
さらなる野心を燃やしたクラブは、積極的に2年連続となるJ1に挑もうとした。2020年度のチーム人件費は10億1000万円とJ1の18クラブ中最下位だったが、このオフには多くの選手の入れ替えを断行した。中でも一番目を引いたのは、FW陣の入れ替えだ。
ヨーロッパへと旅立った斉藤光毅や、期限付き移籍で加わっていた一美和成のガンバ大阪への復帰は仕方ないにしても、皆川佑介や瀬沼優司らを放出。代わって、ベテランの渡邉千真や伊藤翔、ジャーメイン良ら5人のFWを獲得した。