■浦和が誇る伝統のスタイル
浦和レッズの前身である三菱重工はかつて堅守速攻のカウンター・サッカーで戦っていた。
1965年に始まった日本サッカーリーグ(JSL)では、初年度から4シーズン連続で東洋工業(後のマツダ。サンフレッチェ広島の前身)が優勝した。その東洋に挑戦したのが二宮寛監督が率いる三菱であり、不世出のストライカー釜本邦茂を擁する大阪のヤンマーディーゼル(セレッソ大阪の前身)だった。
そして、西ドイツ(当時)の名将、ヘネス・バイスバイラーに師事した二宮監督は堅守からスピードのあるカウンターを繰り出す独特のサッカーで三菱をJSL優勝に導いたのである。
そんな伝統もある浦和レッズ。2006年代にJ1リーグを制し、翌年にはACLでタイトルを獲得してクラブ・ワールドカップに出場した頃が黄金時代だったが、当時は前線にワシントンとポンテという2人のブラジル人選手を配し、しっかりと守ってこの2人の個の力で得点をするのがそのスタイルだった。