11月16日(日本時間17日未明)に行われたワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選で、日本代表はアウェイでのオマーン代表戦に1-0で勝利した。ホームでの敗戦の意趣返しをした格好で、中国代表と引き分けたオーストラリア代表を抜いて2位にも浮上した。
しかし、単純に喜んでいるわけにはいかない。本大会出場をめぐるレースは、年をまたいで続く。希望と課題が浮き出た日本代表の2021年最終戦を、取材歴50年を超える大住良之、後藤健生という2人のベテランサッカージャーナリストが語りつくす。
■どこが中国相手に取りこぼすか
――年内の試合が終了しました。年明け以降、どうなるでしょう。
大住「残り4節で、グループBの行方を握る鍵になるのは中国だと思う」
後藤「中国相手に、どこが取りこぼすかだね。今節はオーストラリアが取りこぼした」
大住「オーストラリアやサウジアラビアを相手に引き分けに持ち込むくらいの力が、中国にはついてきたね」
後藤「中国はあまり長距離の移動がないんだよね。今回対戦したオーストラリアは、ホームゲームをシドニーで行うことにしたから、ヨーロッパでプレーする選手はシドニーに来てから、中国がホーム代わりにする中東(UAEのジャルジージャ)に移動しないといけなかった。これまでずっとアラビア半島の中だけで試合をしてきたサウジアラビアも、初めて長距離移動を味わった。中国が移動を強いられるアウェイはハノイと埼玉だけだから、それほど遠くない」