■積極的な仕掛けが生んだ決勝ゴール

 前半は日本の右サイドを封じられ、左ウィングの南野拓実は中央に入る場面が多く、左サイドバックで先発した長友佑都もオーバーラップする場面が度々見られた。オマーンは日本のストロングである右サイドを封じながら中央をケア。南野と伊東の対策をしっかりと行なってきた。

 だが、三笘が後半頭から入ることで状況が一変。日本の両ウィングがサイドに張ることでオマーンの両サイドバックが開き、そのため中央にスペースが生じることに。また、三笘の積極的なサイドでの仕掛けが効果的となり、徐々に伊東へのマークも甘くなっていく。三笘はボールを持つと、常に仕掛けることを意識していてアグレッシブさが感じられた。

 そして迎えた81分、待望の瞬間が訪れる。左サイドで中山雄太が積極的な守備を見せる。ボールを奪った中山はいったん中を向いて、前にいた三笘へ縦パスを送る。三笘はドリブルで仕掛け、倒れながら中央へクロスを送ると、最後は伊東がダイレクトで合わせてゴールネットを揺らした。

 中山の積極的な守備、三笘の仕掛け、伊東のクロスへ入る動きが見えたシーンだった。三笘が後半開始早々から仕掛けることにより、マークが引っ張られ、マークが厳しかった伊東への警戒が前半よりも薄れたところでゴールを奪うことに成功した。

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